Topics: 2014年

芸工展2014レポートと一部内容重複しますが、開始間もなく挫折したものの、展示終了後も継続できそうな企画のため、単独記事としてもエントリーしておきます。

芸工展2014「金猊馬考」を終えて/続く

Kingei Resources vol.19

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今年は午年にちなんで「金猊馬考」という企画タイトルで参加した芸工展2014も無事終了しました。
谷中まで足をお運びくださいました皆様、大変ありがとうございました。

数えると今回で9回目の参加。さすがに展示設営等はだいぶ馴れてきました。参加当初は作品をただ並べるだけの展示だったのが近年は金猊が参照したろうと思われる引用源や資料、図版などを展示し、作品展示よりも資料準備に追われて告知活動に時間割けずといった有様です。以前はただ観てもらえれば良いと思っていたのが、回を重ねるごとにお客様一人一人としっかりお話しする時間をつくる方が楽しくなり、入場者数を増やすことに積極的ではなくなりました。

今年の展示コンセプトに関しては、連載停滞中の試論「金猊馬考」続編をお待ちください。
このレポートでは芸工展期間の展示構成ワークショップについて触れておきたいと思います。

芸工展2014「金猊馬考」展では展示準備に向けての発見や考えを書き落とした試論「金猊馬考」のテキストを連載中です。
所蔵者目線のゆる〜いテキストですが、脚註は展示にも活かせるよう充実させるつもりです。
PDF版(1.2MB/5ページ)も用意しましたので、紙好きな方はダウンロードしてご覧ください。

丸井金猊の軸作品『聖徳太子圖(仮)』は、愛知県一宮市今伊勢町馬寄の親戚方(金猊の姉・三女ゆうの遺族)にあり、谷中M類栖では初めて借りて芸工展での展示ということになる。この作品の所在は確か2004年に稲沢市の親戚方(金猊の姉・長女よねの遺族)で所蔵している『霜晨』という軸作品を確認に訪れたときに、一宮市今伊勢の家にも何点か作品があったはずという話になり、寄らせてもらったところ『聖徳太子圖(仮)』の他にも軸『菊と文鳥(仮)』と額『女御園(仮)』の三点あることが判明したのだった。

芸工展2014「金猊馬考」展では展示準備に向けての発見や考えを書き落とした試論「金猊馬考」のテキストを連載中です。
所蔵者目線のゆる〜いテキストですが、脚註は展示にも活かせるよう充実させるつもりです。
PDF版(986KB/3ページ)も用意しましたので、紙好きな方はダウンロードしてご覧ください。

四つの評価軸

谷中M類栖・芸工展2014「金猊馬考」展では、丸井金猊の初期軸作品1点、焼失した東宝劇場壁画の下絵と写真パネルを1点ずつ、制作時期不明の左右対の作品2点、晩年の額作品3点(うち1点は写真パネル)、そして校友誌等に掲載された挿絵など、金猊の手掛けた馬リソースを可能な限り展示する予定である。

次回のテキストから一点ずつ個別に作品を観ていきたいと考えているが、今回はそれらの作品を検証するにあたっての物差し(評価軸)のようなものを事前に提示しておこうと思う。ただし、それは美術批評や美術史の専門性に寄って立つものではない。どちらかというと価格.comのユーザーレビューで用いられるようなユーザー志向の評価軸で、作品をどういう系統のものと位置づけるものではなく、傾向の度合いを確認しようとするものである。それは人によって見方は違うだろうし、一個人の中でも時期によって差は生じ、今回の展示を通じて私個人に変化があるかもしれない。いや、むしろそれを楽しみにしているとも言える。

芸工展2014「金猊馬考」展

Kingei Resources vol.19

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谷中M類栖/1f は今年も「芸工展2014」に参加します。

芸工展2014 参加プロジェクト
「金猊馬考」展 Kingei Resources vol.19

日時:2014年10月11日(土)~13日(月・祝)・24日(金)〜26日(日) 13:00〜17:00
会場:谷中M類栖/1f
   〒110-0001 東京都台東区谷中1-6-3(Google Mapまちかど展覧会特設HP
入場料:無料
主催:谷中M類栖

芸工展2014「金猊馬考」展では展示準備に向けての発見や考えを書き落としていく予定です。
所蔵者目線のゆる〜いテキストですが、脚註は展示にも活かせるよう充実させるつもりです。
PDF版(1MB/3ページ)も用意しましたので、紙好きな方はダウンロードしてご覧ください。

はじめに

2014年の谷中M類栖・芸工展企画「金猊馬考」は至って他愛もないことをきっかけにしている。
丙午生まれで馬好きの友人がいて、次の午年には金猊が描いた馬の絵ばかりの展示をするので、是非遊びに来ないかと前から誘っていた。その友人が馬に釣られて果たして来てくれるか?
それはともかく十二支のうちで丸井金猊が谷中M類栖/1fの展示空間を埋められる数の絵を描いていたのは午(馬)だけなのである。

先日、小学館「日本美術全集」を発行している編集部から連絡がありまして

現在、配本中の小学館「日本美術全集」
http://www.shogakukan.co.jp/pr/nichibi/

第18巻「戦争と美術」監修:河田明久(2015年4月24日発行)
http://www.amazon.co.jp/dp/4096011185

に丸井金猊「壁畫に集ふ」1938年作の掲載が決まりました!
解説は藤井素彦氏(新潟市美術館 学芸員)。すでに様々な角度からの調査を開始されております。

宝塚歌劇のあゆみ展 チラシ2014年4月1日、清荒神の宝塚市立中央図書館聖光文庫で開催された「宝塚歌劇のあゆみ」展が5月13日に終了しました。

宝塚市制60周年・宝塚歌劇100周年記念展示(誕生から昭和20年代までを中心に)と銘打たれた本展は、展示室全体に並置されたローケース型の展示ケースに四つの時代に括られて

  • 明治期・大正期の宝塚:宝塚温泉、駅、パラダイス劇場など
  • 初代大劇場・東京宝塚劇場・二代目大劇場の開場:建物・周辺など
  • 日独伊親善芸術使節団・訪米芸術使節団:新聞記事・出発写真など
  • 戦後の公演再開:公演パンフレット・脚本など

と絵はがき・写真・図面から公演パンフレット・機関誌・新聞記事・脚本・楽譜・歌劇集といった資料類が時系列に並び、それらを見据える恰好で壁面側のウォールケース型展示ケースに丸井金猊が手掛けた東宝劇場の壁画『薫風』下絵とその関連資料という展示配置で構成されました。

宝塚歌劇のあゆみ展 配付資料

宝塚市立中央図書館で開催される「宝塚歌劇のあゆみ」展に、金猊が1937年(昭和12年)に描いた東宝劇場壁画『薫風』(焼失)の下絵が資料展示されることになりました。

宝塚市制60周年・宝塚歌劇100周年記念展示
宝塚歌劇のあゆみ --誕生から昭和20年代までを中心に--

期間:2014年 4月1日(火)〜5月13日(火) 10:00〜17:00
休室日:水曜日、4月11日(金)、5月9日(金)
会場:宝塚市立中央図書館 聖光文庫展示コーナー 入場無料
   〒665-0836 兵庫県宝塚市清荒神1-2-18(阪急宝塚線 清荒神駅下車すぐ・Google Map

チラシ:PDF: 715KB
サイト:宝塚市立図書館中央図書館(アクセス・施設紹介)
Facebook:イベント - 宝塚歌劇のあゆみ展

◎神戸新聞 2014年3月31日朝刊・田中真治記者:
 旧東宝劇場、幻の壁画 「宝塚歌劇のあゆみ」で下絵公開記事画像
◎朝日新聞 2014年4月18日朝刊・鈴木裕記者:
 旧東京宝塚劇場「幻の壁画」下絵を公開記事画像