幻の画家 丸井金猊(中日ホームサービス)

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幻の画家 丸井金猊

一宮市・稲沢市で毎週土曜日に発行されている地元生活情報紙「中日ホームサービス」(5月17日発行)の「中日新聞・尾張かいわいこぼれ話」コーナーに「幻の画家 丸井金猊」という見出しで金猊展のことが紹介されました。

この記事を書かれたのは中日新聞一宮総局の総局長・林寛子さんという方で、金猊作品の色彩について一歩踏み込んで書かれた大変興味深い記事です。地元ミニコミ紙で、一般入手困難と思われるため、勝手ながらスキャン画像をアップさせてもらいました(もしまずいようでしたらお知らせください>中日ホームサービスさま)。

それと色彩以外の金猊の紹介の仕方も、新聞ではないという気軽さからか、若干口語調に書かれていて、そのことが金猊の不遇を重苦しくなく、さらっと、それでいて新聞記事以上に的確に捉えてくれています。「幻の画家」というキャッチフレーズもこれまで使われたことはなかったですし、私などは露骨に「無名の画家」と書いてしまっていたところを《「忘れられて」いたのは、画家として活躍したのが戦前の一時期で戦後もほとんど制作せず、昭和五十四年に六十九歳で亡くなったためらしい》という具合にネガティヴな印象を与えずまとめられていて、正直今後引用したくなるくらいです。

そして、色彩についても少し長くなりますが、引用させてもらいます。

不思議な魅力に引き込まれながら、同郷といえる画家、旧尾西市出身の三岸節子の言葉を思い出した。「画家の色彩感覚は育ったところと密接に関係しているんです。鮮やかな色を持つ画家は、関東から北には出ない。東海や九州出身の画家には色があるんです」。木曽川沿いの美しい光景が、画家三岸の原点。金猊の色の鮮やかさもまた、きっと明るい尾張のたまものに違いない。
彼女は「尾張には、富の蓄積による豊穣がある」とも言っていた。そんな贅沢なきらびやかさもある。とはいえ戦争に傾いていく時代、金猊の華麗な日本画は、どのように受け取られたのだろうか。
「壁畫に集ふ」以後は、この作品を手元に置き、画壇に問うような制作をすることはなかったという。金猊の境遇に、戦争の影を無視することはできない。「美の探求に徹した」彼の本当の思いは、どうだったかと想像する。

ここで三岸節子の言葉を引き合いに出すあたりが、さすがは一宮総局長というところですが、実際東京に生まれ育った自分が祖父の墓参りで木曽川のほとりを訪ねる度に感じていたのは、緑の豊かさととにかく果てしなく平地だな〜という感覚でした。そして、どこを歩いていても思うのが、どうというわけでもない余裕みたいなものが感じられるんですね。それは首都・東京には感じられないものです。それが「富の蓄積による豊穣」ということなのか、織田信長が地政学的に天下統一の野望を抱けたことからも何となく理解できるような気がしますが、金猊の画が時代の暗い空気をまるで引きずっていないかのようであるのは、やはりそんなところから来ているのかもしれません。

それにしてもこの記事で掲載されている挿絵イラストはかわいらしいです。
この写真をモデルにしたことは間違いありませんが、家人などは親しみを込めて「金猊クン」と呼んでます。このサイトのキャラとして使わせてもらいたいくらい(笑)

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コメント(1)

これはどなたが書いたのかしら。林 said on 2008年10月31日 16:25

ありがとうございます。

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